実際のクリーニングへのショートカット クリソコルス ナノナビス

ノストセラス


大阪府下の和泉層群では化石がほとんどノジュール化しないで実体のまま頁岩中より産出いたします又その化石は密集せず大抵単独で出てきます、また黒くて硬いので他ではあまり使用されていないワイヤーブラシでゴシゴシこすってクリーニングすることが普通に行われています、しかし実際ワイヤーブラシでクリーニングしてみるとデリケートで非常に難しいのです!そんな思いをした私はこのホームページを見た方が大阪府下の産地の化石をクリーニングする際の手助けになれば、あるいはもっと良い方法をご存知の方が居られましたらご教授いただけたらなどの思いからこのコーナーを開設いたしました。
化石はとても貴重なものですから大切にしましょう!
クリーニング予備知識 クリーニングが苦手な私ですがたとえきれいにならなくても化石をだめにしない方法をまとめてみました。(やがて後で腕を上げたり,良い薬品が出たりしたらクリーニングしなおせばいいわけだから)ちなみに値段の高い道具は使っておりません。
平成18年9月7日実体顕微鏡を中古購入さらに平成18年10月20日双眼ルーペ購入
管理人の言い訳
視力低下のため道具を購入せざるをえなくなりました。(T-T) シクシク
化石の産出の態様 他の産地ではノジュール化することが多いようですが大阪南部の産地では母岩中からの産出がほとんどです、また化石自体の硬度がとても高くて分離が悪い特徴が有ります。
ノジュール中の実体化石 ノジュール中の実体化石の場合は母岩中よりさらに分離が悪くしかも硬いため叩き割ってそのままにしておくかルーターで削り出すなどの方法ぐらいで現在有効と言えるクリーニング方法を知りません。知ってる人がおりましたらよろしくお願いいたします。酢酸による溶解を試みましたがうまくいきません。
黒くて硬いその秘密
珪化とは
珪化とはもともと貝殻は主成分が炭酸カルシウムだったのが長い時間が経つうちに他の成分(珪酸分)と置換(入れ替わる)されてしまうこと。私のHPの化石たちはその他マンガンやクロムなどを含有するためかなり硬度がアップしているようです。(成分が入れ替わってしまっているので厳密には実体とは言えないかもしれませんね)
できるだけ早くクリーニングに取り掛かる事 時間が経つと空気に触れて風化が進むため
和泉層群は頁岩なので乾燥させるとひび割れたり粉が吹いたようになってくる。特に母岩付にしようとする場合は重要!
(蕎原産は特に)
化石の見極め(大事) 化石の珪化あるいは風化の状態をチェック!充分珪化されていて風化していないのが上物だがその反対もある石自体と母岩の硬さに合わせて使用するワイヤーブラシの選択やクリーニングの方法も変える必要があります。化石自体の色が黒いほど硬い傾向有り。
ひび割れ 現地で採集の際に瞬間接着剤で補修しておく、またクリーニング中に気がついたら同じく瞬間接着剤で補修
母岩付き・化石単独? 母岩に化石がついた状態でクリーニングした物は化石らしくて私も好きなのですがあまり大きな物ではかさばるのと何年かして真っ二つに割れていたりとトラブルが多いようです、これは水分の蒸発が原因の風化作用のようです、大きい化石ほど母岩付きにしないのが無難のようです。
(悩みは収納場所の確保)
その他 滝ノ池産と蕎原産の場合、滝ノ池の方が母岩が硬くて化石本体は軟らかめだが分離は良い、蕎原は母岩は軟らかくて化石本体は硬いのでクリーニングがやさしそうだが、べったり母岩が付いてしまうことが多いので蕎原の方がクリーニングに時間が掛かってしまいます。また滝ノ池はべったり母岩が付く事は少ないが付いた母岩を取り除くのが難しい等と特徴があります、いずれにしても無理をせずじっくりとクリーニングに取り組みましょう、とにかく根気が大事です
印象化石 化石自体が溶けて無くなりその抜け殻が母岩に残された物。
あまりクリーニングはしない
印象化石のクリーニング
風化が進んだ結果の化石であるからブラシでこすらずごみを吹き飛ばすあるいは軽く水洗いして乾燥後、水溶性塗料をさらに水で薄めて2〜3回に分けて塗布する。
ワイヤーブラシのこと 母岩より硬くて化石より軟らかいのが理想ですが母岩が硬かったり化石が軟らかいと苦労致します。
ステンレスワイヤーブラシ ステンレスワイヤーブラシがちょうど良い硬さでオールマイティーに使えます。おすすめ!
スチールワイヤーブラシ 充分な硬度を持った化石には使えますが軟らかい化石にはおすすめしません。又ワイヤーブラシの粉が付いたまま放置してたら化石が錆だらけになってたなんてことも。(実際に経験した本当の話)
化石の水洗い 母岩の硬い物ほど水洗いしても大丈夫ですが軟らかい物は母岩が水を吸収し膨張して化石がひび割れ最悪バラバラになってしまうので水洗いせずに硬く絞った雑巾でふき取るようにすれば失敗が減ります。(母岩ならびに化石自体までしっかりしている場合水で流しながらワイヤーブラシでこすり短時間でクリーニングを済ますことも時としてあります)
化石の保存処理 最後に水溶性塗料(水溶性接着剤)を水で薄めて化石だけでなく母岩にも塗っておきます
(専門家が使用する特殊な物も有るようですが水溶性塗料はホームセンターで簡単に購入できることなどから管理人も実際に使っております。)
下に私の知る限りで樹脂の表を作りましたのでそちらも参考にしていだけたらと思います。



個人的な見解なので違う使い方がありましたらお教え願います。

樹脂名
酢酸ビニル・別名酢酸ビニルモノマー・ビニルアセテート ホームセンターで木工ボンドを買ってきて使用。(成分が酢酸ビニルで有る事を確認する事が必要)
良いところ 安価で手に入りやすい・水で薄める事が可能・厚い皮膜を作る事が簡単にできる
悪いところ 薄いと皮膜の強度がたよりない。小さな物に対して接着力が弱い
使い方
木工ボンドの達人タガネの錬金術師さんのHPはこちら
母岩を砕き粉にして木工ボンドを混ぜ粘土状にして母岩あるいは化石の欠けた部分に接着し形を整える事に使用。
クリーニング途中で期間が空く場合風化止めに指で薄く塗っておく等
エポキシ樹脂 接着剤・塗料・パテがある。2液を混ぜるのが主流で化学反応型・接着力強い
良いところ 耐水・耐油・など安定性が高い・硬化前後の体積の変化が少ない
悪いところ 完全硬化すると上記理由により取れなくなってしまう。染み込みは今ひとつ
硬化時間に色々なタイプがあるので注意しないと失敗してしまいます。
使い方 大き目の化石が真っ二つになってしまったときなど強度が必要な際に使用
水溶性アクリル塗料 ホームセンターならどこでも売っている
良いところ 取り扱いが簡単で溶剤による中毒の心配が少ない
水で薄めたり刷毛を洗うのも水でできるため経済的
悪いところ 硬い物や緻密な物質への染み込みが今ひとつ
使い方 化石本体並びに母岩への使用・汎用性が高い
有機溶剤系塗料ラッカー・エナメル等 塗料自体はホームセンターで購入できるが溶剤(シンナー)等が手に入りにくい。
良いところ 特になし・(水溶性塗料が普及してから余りメリットは無い。)
悪いところ 溶剤(シンナー)に中毒性があり危険。透明塗料の黄変耐性が乏しい。
何年かすると塗料が黄色く変色する事が有る。
使い方 使っていない
パラロイド B-72 メチルアクリレートとエチルメタクリレートの重合体(汎用熱可塑性アクリル樹脂)
それをアセトンに溶かして5%から10%の濃度で使います。
良いところ 耐候性良い・染み込みは非常に良い一度塗った後もアセトンで容易に溶かすことができる
悪いところ 入手困難・溶剤のアセトンは引火性が高いので取り扱いに注意が必要。
使い方 化石本体と母岩両方の保護に適しているがグズグズボロボロの場合かなり時間を掛けて樹脂を染み込ませる必要が有る。
購入先 パレット100g単位での購入が可能
三恒商事1kg単位での購入その分安い
シアノアクリレート いわずと知れた瞬間接着剤の事
良いところ 書くまでもないような気がしますが低粘度からゼリー状まで使い道はたくさん有ってこんな便利な物は無い!採集に行く時は必ず持っていきます。必需品
悪いところ 水に弱いのが弱点塗りすぎると白く粉を吹いたようになるのもペケ
使い方 面倒なので省略



クリーニング用品 説明
ハンマー
小さめのハンマーが2〜3種類必要です
対象になる化石が小さい、あるいは細かい部分のクリーニングなどの際は使用するハンマーも小型の物でクリーニングいたします。
ただしルーペや実体顕微鏡を使用する際は逆に大き目のハンマーの方が空振りしなくて使いやすいようです。
右から
使い古しのワイヤーブラシ金属柄
(しつこい汚れに使用)

中スチールワイヤーブラシ金属柄
(硬度の有る化石用)
中ステンレスワイヤーブラシ金属柄
(メインで使用)
細ステンレスワイヤーブラシ木柄
(仕上げ段階用)
後、非常に太いワイヤーを使用したスチールのワイヤーブラシが売っていますが化石自体に傷が付くので使わない方が良いでしょう。

ヤスリ各種
右から
ダイアモンド細工ヤスリ(仕上げ用としつこい所用)
各種細工ヤスリ4本(ヤスリとして使う、先端をグラインダーなどで研いでおき先端で削るあるいは小型ハンマーでタガネの代わりのように使う)
コンクリート針(母岩からの剥離と細かい部分を先で削る)
カッター(先を使って削る)ポキリと折ればすぐ新しい刃が使えるのが便利。

ドリルを研いで作ったチス。
大阪の和泉層群の化石には上のコンクリート針で充分ですがドリルチスは持ちが良いので私のようなものぐさ向きです。
特にコバルトハイスドリル(ステンレス用)は持ちが良い。
左端のドリルドライバ用は細かいところをクリーニングする際重宝します。
ミニルーター
手作業では無理な所に使用(削りすぎてしまうので、できるだけ使わず最後の手段程度)

平成18年3月に中古で購入、ニコンSMZ・ユニバーサルスタンド・落射照明・接眼レンズ10倍・20倍のセット
実際の使用では接眼レンズ10倍×ズーム0.8倍の実質倍率8倍で使用
クリーニングでは8倍の倍率で充分過ぎるほどです、倍率は高いとかえってやりにくくなります。
これは双眼ルーペの名称でoptas 産業光学機器さんで購入しました。
医療用など限定特殊分野向けに販売されたものと比べますと破格の値段で購入できました。
購入の際には部品のみの追加購入は不可とのことでしたので全てのオプション部品を含めて購入しました。
機能的にはルーペというよりも小型の短焦点型望遠鏡といえます。
視界が広いことと画像が明るいところが良いところです。

optas 産業光学機器
対物レンズ〜観察物まで焦点距離は約35cmぐらいです。
また現在ではパワー(クローズ)UPレンズがオプションとして販売されており倍率が1倍アップの4倍、焦点距離が60mm短縮と表示されております。
私が購入した際には無かったオプションです、管理人は作業距離が遠くてもたつく事がありましたのでもしこのルーペを購入するのであれば是非とも購入をおすすめします。
このオプションを見た管理人はレンズプロテクター(ただのカバー)を利用しパワー(クローズ)UPレンズを作ってみました。作り方は簡単です、まず100円均一で老眼鏡を買ってきます、管理人はプラス1.5度を買いました。そのレンズをレンズカバーに合わせて丸く加工し元のレンズと交換し接着するだけです。この写真は既にその加工が済んだものです。
倍率は計算値で4.5倍、焦点距離は22.1cmです。
材料費100円、作業時間30分で自己評価◎
ヘッドルーペ・レンズが差し込み式で色々な倍率を使えるタイプにしました。
ライトは暗くて頼りないです無いよりマシ程度。
高照度発光ダイオードに取り替える予定。
レンズの倍率が高くなると焦点距離が短くなって作業がやりにくくなるのが欠点。
2.5倍だとレンズから10cmぐらい。
保護めがね、ポリカーボネイト製で衝撃に強い物を選択。
クリーニングや化石採集の時にも眼の保護の為必ず装着します


これから色々増やします!

クリソコルスの場合
泉佐野市産
説明
第一段階
母岩に入った状態の化石

石の欠片やら色々飛び散るので公園で作業する事にした。
本格的には室内で明るくして砂袋に乗せて時間をかけて作業します。
管理人宅では妻に怒られるのでできません。
いつもは貝塚の実家の前のスペースでする作業なのです。

ちなみにこのクリソコルスはかなり分離の悪い部類
第二段階
手には手袋、目にはゴーグルかメガネをして小型のハンマーとコンクリート針を使い周りの母岩をはずします、この時コンクリート針を化石から少し離れた部分に当て化石本体に向けて適度な力でたたきます、化石部分から外へ向けてたたいたほうが分離しやすいとカン違いされやすいですがそれをすると化石が欠けたり下手をするとバラバラになります、必ず化石の外から化石に向けて少しづつ母岩を削りとりましょう、又この時は特に小さな破片がたくさん出るので必ず目を守るものが必要なのです。
今回は叩いているうちに母岩から完全に化石だけが分離してしまった母岩付きの化石も化石らしくて好みなのにこうなってはしょうがない?
(砂袋を使わず化石に振動を与えるとこうなることが多いので母岩付きにする場合は砂袋を使ってくださいね)
面倒くさがり屋の管理人ですのでいつもの事?(収納のため小さくした?)
それからさすがに面倒くさがり屋の管理人でも後に残った石の屑は全て集めて家に持ち帰りました。
第三段階(クリーニングの方法を考える)
中ステンレスワイヤーブラシで全体の汚れを落としさっと水洗いした後の写真、ここでよく観察する
まず付着した岩石から取り除いていくのが良い、大きな石の付いている所はコンクリート針とハンマーで石をはずすのだがけっこう化石に密着している様子、強くたたかず根気良く取り除いていこう、強くたたくと化石本体に傷が付いてしまう、ある程度とれたら、使い古しのワイヤーブラシ石が付着している所を集中的にゴシゴシこする、あるいはヤスリやカッターで削る、こすっては雑巾でほこりをふき取り、またこする、特に硬い石には使い古したワイヤーブラシ(毛先が短くなった物)でこすると良く落ちるので擦り切れたワイヤーブラシも捨てずに利用しましょう。
黄色で囲んだ所に岩石が付着
付着した石をコンクリート針とハンマーで取れそうなところはたたいてみるがそれでも大半が残った、無理にたたかず残ったところはカッターやヤスリの先で削り落とした後、すりきれたワイヤーブラシでこする。
オレンジ色で囲んだ所は貝殻がほぼむき出しなので最後にステンレス製ワイヤーブラシでこすって仕上げとする。
こんな感じにまだらに岩石が付着しているとクリーニングがむずかしい。
第四段階(ワイヤーブラシでのクリーニング終了)
ブツブツの砂のような石が付いた所も減ったし殻が見える所はステンレスワイヤーブラシで成長線と平行にやさしくこすります、ワイヤーブラシの4分の1は擦り切れ人間も疲れてきた(約2時間半)うっすら砂の粒が残ったままだけど今回はクリーニングの実際をホームページに載せるのが目的だからもう良いだろでゴシゴシ終わり!(真剣に細かい所までやればまだ3倍の時間は掛かりますね)
最終段階
全体を(化石部分はもちろん裏側の母岩も)水溶性塗料のクリアーを水でうすめて3回塗り重ね、充分乾燥させ、(この状態でひび割れの箇所や化石の内部にも染み込んでいる)その後表面の塗料をワイヤーブラシでこすり落とした後(管理人の好みで塗料の光沢が嫌い)乾いた雑巾でゴシゴシ拭いてツヤを出してみたのがこの写真。
一応完成!


ナノナビスの場合
貝塚市産
説明
第一段階
採集時に母岩から化石が分離してしまった合殻のナノナビスなのでまず観察
写真右は殻頂部を上にして撮影
左は腹縁部を上にして撮影
この個体は蕎原箱谷産だが見事にべったり母岩が張り付いていて、見ためはまるでノジュールのようである、
かろうじて右側の写真では殻頂部が確認できる状態。
第二段階
殻頂の間(靱帯の面)はナノナビスの右側にあるコンクリート針で付いている母岩をハンマーを使い少しづつクリーニング(大きくはがさず小さな石片にする感じ)その後ヤスリの先端でハンマーを使わず手作業で殻に達する手前まで様子を見ながら削っておく。
そして殻の表面はヤスリの先端部の平らになっている所を使いヤスリの角度はねかせた状態にしてハンマーで叩き表面の母岩をハツリ落とす。(写真でも分かると思いますがこのナノナビスは写真で見た通り左側に母岩が多量に張り付いているので取り除きました)
後全体にヤスリの先端で取れるところは削り落としますが殻に達する寸前までにしておきます。
化石の左側の石片はその剥離した分です。
今回のコツは平型の小型ヤスリの先端を使うことがナノナビスの球状の形にマッチして傷を作らない方法と言えるかな?(いずれにしてもナノナビスの構造とその形を理解しないで削りすぎると傷の原因になります)
第三段階
全体にワイヤーブラシをかけた後雑巾で汚れを落としたもの
この段階で良く観察
下の写真を見てください。
第三段階(大写し)
たまに有るケースなのだが白っぽい皮状の物がべったり付いている

このタイプが一番厄介なのだ
しょうがないので虫ピンとカッターの出番となる、
後は皮状部分をワイヤーブラシでこすっては虫ピンとカッターで剥離、又こすっては虫ピンとカッターで剥離の繰り返しである

虫ピンでは剥離不能になってきたら後はカッターで力を込めて削る作業が中心になります。
このときの注意点は皮状のものはワイヤーブラシが効きにくいのでまだら状になったところをワイヤーブラシでこすると化石自体を傷めてしまいます、先に皮状部分を集中して落としてしまいましょう。
中途段階
靱帯面をカッターで削っているところ

半ノジュール化していて非常に硬い
手が痛くなったトホホ
中途段階
クリーニング開始から約10時間かかってこの状態
右殻はほぼきれい
左殻はまだあと少し残し
靱帯面はこんなもんでしょ

ここまで来るとこの化石の状態がよくわかります。
靱帯面はかなり良好な保存の状態(通常は陥没しているほうが多い)
殻は後部が圧力により内側に押し込まれた形で変形特に左殻に影響が出ていて陥没有り
中途段階
第三段階(大写し)
と大体同じ方向からの写真
見比べて欲しいのですがただの石の塊が貝化石だと判別できるようになりさらにこの部分が陥没していることがわかるでしょうか。
第四段階(ワイヤーブラシでのクリーニング終了)
約12時間30分掛かりました!疲れました!写真の左中央部にまだ付着物が付いていますが陥没部分の付着物です、取るのもめんどくさいしへこむので今回はそのままにしました。

今回はこれで終わり!硬度は充分、ひび割れ無しなので塗料は塗りません
反対側(右殻)
第一段階でもよく見ると分かりますが付着物も少なかったし保存も良好です。
この標本は珪化もしっかりしていたのでワイヤーブラシはスチールワイヤーの物が使えました、しかし付着物のしつこさといったら!久々の苦労ものでした(このコーナーが無ければ欲しいという人にあげていただろう)


ノストセラスの場合
泉佐野市産
説明
ノストセラス産出時の写真です。
かなり風化が進んだ母岩からの産出でした。
背面がペッチャンコです。
バラバラになった部分を接着した後の写真です。
慎重に掘り出したのに三つに分かれてしまいました。
少しパーツが飛んでしまったところも有ります。
画面左下のドリルを研いだもので曲がりの内側を叩いて少しだけ出しました。

ドリルを研ぐ時熱を帯びると先が鈍ってしまいますのでダイヤモンドヤスリを使い手で研ぎました。
ドリルはドリルドライバー用の2.5ミリです。
化石本体は風化が激しくほとんど使う事が出来ませんでした。
軽く叩いただけで殻にドリルが刺さる状態。
あきらめてカッターでの削りだしです。
予想はしていましたが苦手な作業に突入です。
さてペッチャンコになっていた背面部ですが殻の保存程度も悪く双眼実体顕微鏡で恐る恐るカッターで薄皮を剥ぐように削り殻に達したところでストップ。
ヒビや風化が激しい部分に低粘度瞬間接着剤を塗ったり流し込む作業が必要でした。
削る→固める→削る→固める・・・の繰り返し。
左の写真は約10時間かかってクリーニングした後の写真。
双眼実体顕微鏡での実際作業中の写真(倍率は8倍です)
一点をじーっと見つめての作業は大変つらいものがあります。

削りカスがたまってくると見えなくなるので刷毛で払いのけながらの作業です
カッターでちまちま削り取ること18時間
大きな母岩が付いていない部分のクリーニングが終了しました。
強度を持たせるためパラロイドを染み込ませた後の写真です。
側面からの写真
この写真ではU字型になっていることがわかります。
反対側の側面
母岩中に埋もれていて見えていません。
横ではなく縦に圧力受けているためかなり変形しています。
上の写真の下から
母岩中よりトゲが二本(矢印の先)出てまいりました。
後何本出てくるか楽しみであり、硬い母岩を割り取らないといけないので悩むところでもあります。
いよいよ余計な母岩を取り除きに掛かります。
巻きの終わり部分は採集時に割れて接着したところなのでルーターで切れ目を入れてからはずしていきます。
が!しかーし二つに分解してしまいました。
なのでこの部分は中止。
お下がり部分を剖出することにして、ドリルを研いで作ったチスでコンコンと叩いていたら又問題点が・・・・母岩に亀裂が入っている・・・・じぃーーっと見ると化石部分までは到達していない様子。
時間を掛けて慎重に掘り出すことにする。
とりあえず本体に到達しないよう前後左右から確認しつつ母岩を取り除いていく。
出たー!3本目のトゲー!
やっと住房部の石が取れました。
たったこれだけの母岩を取り除くのにヘッドルーペを使い7時間もの時間を掛けてのクリーニングである。慎重に慎重を重ねての作業によりトゲ・イボともに欠ける事無く終了!
あーしんどかった。

でもまだカッターで削り出しを行う必要が有るんですね。
又それは後日という事で。
二つに分解してしまった、お下がりの付け根部分の接着は隙間があるのと強度が欲しかったのでエポキシ接着剤にて接着しました。
完全に固まるまで2〜3日以上置いてからクリーニングする。
(硬化時間の遅いエポキシ接着剤ほど強度が有る)
約13cm程の大きさがある。
残された母岩が小さくなるにつれて衝撃に注意が必要となってくる。
大事なトゲを折らないよう出っ張った母岩は残しておいて最後に切り取る予定です。
エポキシ接着剤が完全に硬化した後(3日後)
お下がりの付け根部分をクリーニング開始。
殻が途中までしか残っていない!
石を全部取ると強度の問題も出るのでここでお仕舞い。
残った母岩を切り取る事にしました。
安物のルーターなのでなかなか切れ目が入らないが時間を掛けて入れれるだけ入れました。
切れ目も入れたしこの辺でチスで叩いても良いだろうの判断で叩いたのですが。
一回目の母岩が剥離し調子に乗ってざっくりいこうと叩いたその時です!
何か変だ?恐る恐る見てみると・・・・・
そうこの写真を見てください本体中央部に走る亀裂!
ガーン真っ二つになったのです。
パーツが4個ほど下に落ちていたのを拾い集め一旦完全に二つに分離させ断面の掃除をしてから(これをしないと必ず隙間ができる)組み立てたのでした。
写真は接着後。
(真っ二つの写真は撮る度胸が無かったので接着後です)
一回真っ二つにした後はさすがに慎重になりました。
何とか大まかですが母岩が取れました
ここまできたら後はルーターで整形です。
なぁ〜んか変な形なったなぁ〜と思いつつ一旦終了
母岩カットと整形に2時間
さぁ〜て、目の痛くなる作業の始まりです。
住房部の肋と肋の間に付着したままの母岩の除去です。
カッターで削り落としますが大事なトゲを壊さないよう注意を払いつつ削ります。
実体顕微鏡での写真。
丁度トゲの間を削っているところです。
上の顕微鏡写真と比べてもやはり母岩が密着していたこの面の方が保存良好です。
約4時間の作業でした。
やっとクリーニングが終了しました。
合計作業時間は31時間ほど掛かりました。
コーティングはパラロイド5%溶液を塗った後パラロイドをさらに染み込ませるためアセトンだけを重ね塗り、これを2回繰り返しました。
ぐちゃぐちゃだったこの面のクリーニングに18時間!一番時間が掛かった部分です。
途中で分離してしまった部分の接着痕が母岩に筋となって見てとれます。
トゲとはっきり言えるものは3本、イボより出っ張っているのが4箇所。
全て住房部にのみ残されていた。